日本舞踊 花柳流
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皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
私は6月に祖父より花柳流の宗家家元を継承させていただきました五世宗家家元花柳壽輔でございます。
ここで私の襲名の御報告をさせていただきたいと思います。
2016年6月4日、花柳流の扇塚のございます 浅草神社にて継承の儀 及び 襲名披露奉納舞踊をおこなわせていただきました。
この6月4日と言いますのは、二代目の御家元が98年前に浅草の市村座で二世宗家家元花柳壽輔の襲名披露を行った日でございまして、これは襲名行事を企画している段階で気がついたことで本当に偶然の一致でございました。実はもう一点、偶然と言うか巡り合わせがございまして、私と二代目の御家元は99歳違いの10月3日生まれと、誕生日までも全く同じなのです。一世紀という月日を経て同じ年頃の同じ日に、而も同じ浅草という地で襲名披露をさせていただきましたこと、これから歩んでまいります壽輔としての舞踊人生の中で大きな支えになると確信しております。またこの6月というのは私にとって、もう一つ特別な月で、2007年の6月に六代目として花柳芳次郎という当流で最も歴史のある御流祖のお名前を継がせていただいてから、10年目を迎える記念の月でございます。その10年という節目の6月に皆様のお力添えを賜りまして、宗家家元花柳壽輔として新たな歩みを始めさせていただきますこと、本当に嬉しく思います。
襲名披露の行事といたしましては、浅草神社の他に浅草寺と帝国ホテルに於いても開催されました。浅草寺では花柳流の「未来永劫安泰祈願」をおこないまして、本部役員、研修部、各支部の祈願に加え東日本大震災や本年4月に起こりました熊本地震等、近年多発している災害の被災地の早期復興も合わせて御祈祷していただきました。帝国ホテルでは祝う会をさせていただきまして沢山の方々の御祝意を頂戴いたしましたお陰で盛大な会でございました。
襲名披露舞踊として祖父 壽應と共に奉納させていただきました『連獅子』は流祖であります初代花柳壽輔が長男の二代目花柳芳次郎の名披露目のために作った演目でございまして、祖父や私のように 芳次郎と壽輔という名跡に深い関わりのある者にとりましては本当に大切な演目であり、また継承という節目に踊らせていただきますことは大変に意味のあるものと思っております。そんなこともありまして当日は連獅子の仔獅子という役に入り込んでいたようで、いつの間にか襲名披露舞踊を終えていました。
ご存知の通り、仔獅子が親獅子から与えられた試練に諦めることなく立ち向かい見事乗り越えるというものが『連獅子』という演目の芯にはございます。私は今 芳次郎という仔獅子から壽輔という親獅子になるために谷底から駆け上がっている段階なのでしょう、連獅子を踊り改めて仔獅子のように諦めることなく何事にも立ち向かっていく覚悟をいたしました。
今年は二度目の年男。まだまだ学ぶことも多い若輩者ではございますが、花柳流の一員として、花柳という名を持って生まれたものとして、どんな試練にもめげずこの覚悟を全うし親獅子、壽輔になっていきたいと思います。
6月の襲名披露 以降、私は今年で三年目になりますが全国の11支部の花柳流 講習会へ伺わせていただきました。今年は特に、どこへ伺っても暖かく迎えてくださり皆様の支えがあっての花柳流だということを改めて実感した講習会でございました。この団結した力が何よりも心強く感じます。関西支部では例年通りの高野山での慰霊祭に加え今年は桜和会もあり、若者から先輩方までそれぞれが活躍するとても良い会であったと感じました。一般の方々へのご報告は、花柳流の全ての支部で直接 門弟の皆様へ御挨拶をしてから、こうしてホームページ上でしたい という私の考えで更新が遅くなってしまったことをこの場を借りてお詫び申し上げます。
何より私どもの襲名披露を支えてくださいました皆様、実行委員会の方々、心より感謝申し上げます。
今後とも 五世宗家家元花柳壽輔 二代目花柳壽應 共々どうぞよろしくお願いいたします。
平成28年9月
五世宗家家元 花柳壽輔 二代目花柳壽應
襲名披露の御報告
六代目 花柳芳次郎 改め
五世宗家家元 花柳壽輔
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平成28年6月 4日(土) 初代花柳壽輔様が、揺籃(ようらん)の地と定め、創流した所縁の深い浅草において
五世宗家家元 花柳壽輔様、二代目 花柳壽應様の継承の儀が執り行われました。
晴れやかな空のもと、門弟総代最高顧問である花柳寿南海師(祝賀会に出席)を筆頭に、東京の本部役員、支部役員をはじめ全国から数多(あまた)の名取が賑々しく集うなか午後1時より浅草神社にて、継承の儀がおごそかに執り行われ、そののち同神社内神楽殿において、襲名披露奉納舞踊が催され、二代目花柳寿應様、五世宗家家元花柳壽輔様による長唄「連獅子」、壽輔様のお姉様で 後見人の二代目 花柳ツル様による長唄「花の三番叟」の二作品が、花柳流の名取は言うに及ばず、浅草神社の参拝客の見守るなか厳粛に奉納され、その後、場所を浅草寺に移し、花柳流の安泰祈願が参列した大勢の名取と共に荘厳のうちに執り行われました。
花柳会から宗家家元 襲名のご報告
花柳流 花柳会