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花柳流宗家家元

初世 宗家家元 花柳壽輔

 

1821年3月22日~1903年 1月28日(文政4~明治36)江戸生まれ。

四世西川扇蔵の元で振付師を志していたが師匠の没後西川流を離れる。

花柳の名が世に初めて出たのは1848年4月、中村座の番付に花柳芳次郎の名がのった時とされている。翌1849年に正式に初代 花柳芳次郎として花柳流の家元となった。

1850年にはかつての師・幡谷重蔵(七代目市川團十郎)が自らの俳号「壽海老人」の一字を芳次郎に贈り、同年9月から番付には「花柳壽助」の名が載るようになった。

1860年花柳壽輔に改名。天才肌の舞踊家で約1500本の振り付けを残し、江戸 明治の劇場振り付けの大御所的存在となった。稽古が非常に厳しいことで知られ、「雷師匠」として役者や門弟に恐れられたが、この壽輔の技量と気質には勝海舟が惚れこみ、西郷隆盛と並べて賞賛した。

主な振付作品:茨木、梅の春、勢獅子、助六、角田川、土蜘、釣女、二人猩猩、船弁慶、北州、戻橋、夕月船頭、連獅子など。

二代目花柳流宗家家元花柳壽輔

二世 宗家家元 花柳壽輔

 

1893年10月3日~1970年 1月22日(明治25~昭和45)

初世壽輔の実子・花柳 芳三郎として東京で生まれる。11歳のとき、初世壽輔が没する。

1918年6月4日 浅草は市村座に於いて24歳で二世宗家家元花柳壽輔を襲名。

壽輔襲名を機に新作舞踊を手がけて1924年に花柳舞踊研究会を組織。

1925年に、再建の歌舞伎座の座付き振付師となり二代目市川猿之助(猿翁)と提携し、多くの作品を残す。戦後、劇場振付師を辞退。子弟の育成に力を尽くし、1960年には重要無形文化財保持者指定を受け、1962年には芸術院会員となる。

1963年 71歳で、娘のわかばに家元を譲り、自身は花柳壽應(じゅおう)と改名。

主な振付作品:悪太郎、綾の鼓、お祭、黒塚、高野物狂、小鍛冶、小袖曽我、独楽、五月雨、二人三番叟、蚤取男、武悪、夢殿、酔い奴、船弁慶など。

三世 宗家家元 花柳壽輔

 

1935年 1月10日~2007年 5月 23日(昭和10年~平成19年)

二世壽輔(のちの壽應)の長女 花柳 わかばとして東京で生まれる。

1963年、28歳のとき、三世家元花柳壽輔を襲名。

三世家元となった壽輔は、技術の継承と、日本中に広まった花柳流組織の再編に力を注ぐ。父が主宰した花柳舞踊研究会を引き継ぎ、新作舞踊を次々と生み出した。一方で日本の子供たちに日本舞踊を広めることに力をいれ、全国の幼稚園に日本舞踊の無料講習会の開催を働きかけ、子供向けの踊りとして「月」や「おさるのかごや」などの童謡に振り付けを行った。

1969年から日本舞踊協会理事を務め、1990年日本芸術院賞を受賞。1999年には芸術院会員となる。

主な振付作品:明石町、お吉玉椿、恋の管笠、鶴、花の三番叟、花ゆかり、春の水、雛の宵、夜遊楽、若菜摘など。

四世 宗家家元 花柳壽輔 (二代目 花柳壽應)

 

1931年 3月22日~2020年9月26日(昭和6年~令和2年)

四代目花柳芳次郎の長男・花柳 寛(ひろし)として東京で生まれる。

6歳より伯父に当る二代目壽輔(後の壽應)に師事し、1963年32歳のとき、わかばの三代目花柳壽輔の襲名の際 家元の後見人となった。

1967年、36歳で五代目花柳芳次郎を襲名、テレビや舞台の出演、また宝塚をはじめとするさまざまな公演の振付や演出を担当し、国際エミー賞優秀賞や、イタリア賞を授賞、日本芸術院賞や、旭日小綬章授章を授賞。戦後の芸能史に大きな足跡を残す。

2007年6月に孫の創右に芳次郎の名を譲り自身は花柳寛應と改名するも、理事会により次期家元へ推薦されていたため、三世宗家家元の葬儀で四代目花柳壽輔となる事を発表した。

2011日本芸術院会員となる。その後も古典を重んじながらも勢力的に日本舞踊の創作公演を開催し、振付作品は一万作を超えるとされている。若手の育成にも力を入れており、2016年に孫の芳次郎に花柳流の宗家家元を継承させ自身は、二代目花柳壽應を襲名した。

主な振付作品:あやめ、江島生島、七夕、二人椀久、檜垣、都風流、深雪、女夫狐、雪の道、吉野狐など。

 

五世 宗家家元 花柳壽輔

 

1992年10月3日〜(平成4年~)

五代目花柳芳次郎(後の四代目壽輔)の孫 花柳創右として東京で生まれる。2歳から稽古を始め舞台で初御目見得。4歳の時に国立文楽劇場で「喜撰」「土蜘」に出演し初舞台を踏む。

以後 歌舞伎座や国立劇場をはじめとする舞台に立ち日本舞踊の道を歩み続け、2007年に祖父から芳次郎の名跡を継ぎ、六代目花柳芳次郎を歌舞伎座で襲名。早稲田大学在学中は震災等の被災地での復興支援活動へ参加し、活動をした岩手県、宮城県において復興祈願舞踊公演を開催した。若年層や外国人に向けた活動にも注力し、入場無料の公演や、国際文化交流公演、外国人向けのワークショップを開催。

「東京オリンピック・パラリンピック組織委員会」の会議に有識者として参加するなど国際的に日本の文化を発信している。

2016年6月4日に、五世宗家家元 花柳壽輔を襲名。

以降家元としての活動の傍ら歌舞伎や宝塚歌劇団の興行などで振付を担当。

主な振付作品:新作歌舞伎 本朝白雪姫譚話、新作歌舞伎舞踊 幽玄、元禄花見踊、賤の小田巻、鶴亀、石橋など。

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